甲州印伝訪問着きものの持つ魅力(みりょく)の中で最も大きなものは、年齢にはとらわれない美しい(よそお)いができることがあげられます。ややもすると若々しさを強調しがちな洋装に対して、和服には年相応(としそうおう)で伝統的な美意識があります。若者には若者の(あい)らしさ、中年になると女性としての気品(きひん)(あで)やかさに魅力を感じてきます。また、年配者には年配者にしか出せない風格(ふうかく)威厳(いげん)などに(あこが)れるものです。つまり、美しさの条件は若さだけではありません。若者がどんなに(いき)()こなしをしようとしても、そこには(おの)ずと限界があり、年配者が、やみ雲に若々しさを求めては、かえって見苦(みぐる)しくなります。本当の美しさとは何か、自分らしい美しさとはどうあるべきか、長年にわたり日本女性特有の美的感性によって(つちか)われてきたきものは、必ずやそのテーマに(こた)えてくれるでしょう。

訪問着の発祥(はっしょう)は、比較的新しく大正初期に三越呉服店(現在の三越デパート)が命名し、売り出したのが始まりと言われています。当初は、絵羽模様(えばもよう)の着物に限らず、小紋(こもん)、お()し、大島紬(おおしまつむぎ)など、「よそ行き」程度の着物を意味していたようですが、以後、絵羽模様(えばもよう)の着物が代表的な晴れ着として定着します。

訪問着は、格式(かくしき)と、お洒落(しゃれ)感覚を併せ持ち、儀式(ぎしき)用からお洒落着(しゃれぎ)用まで幅広く着られます。きもののセンスを楽しみ、個性を発揮(はっき)できるのも訪問着の魅力(みりょく)のひとつです。準礼装(じゅんれいそう)位置付(いちづ)けではあるものの現代和装の主役であり、きものを愛する人にとっては、とりわけなくてはならない「きもの」となりました。

加賀友禅の留袖に蘇州刺繍の袋帯きものの約束事(やくそくごと)「きものT.P.O」において、振袖や留袖は最も格式の高い第一礼装(だいいちれいそう)の着物ですが、訪問着は、それらに次ぐ準礼装(じゅんれいそう)略礼装(りゃくれいそう)とも言う)という位置(いち)づけです。

冠婚葬祭(かんこんそうさい)を中心とする日本の伝統的な儀式(ぎしき)における慣習(かんしゅう)「しきたり」では、参列する人の立場(たちば)によって「着る着物」が決められ、それが今でも守られています。その起源は飛鳥(あすか)時代の律令制(りつりょうせい)にあるとされますが、聖徳太子(しょうとくたいし)によって制定された「冠位十二階(かんいじゅうにかい)の制度」では、地位や身分によって衣服の色まで統制されていたのです。律令制は、(りつ)(りょう)(きゃく)(しき)によって運用され、律は刑法(けいほう)、令はそれ以外(主に行政法(ぎょうせいほう))、格は律令の修正・補足の法令、式は律令の施行細則(せこうさいそく)を指す、とあります。ここに格式(かくしき)という言葉のルーツが見られ、以後、格式による着衣(ちゃくい)序列(じょれつ)を守ることが礼儀作法(れいぎさほう)になったと考えられます。

現代和装においては家柄(いえがら)身分(みぶん)による着方(きかた)の違いはありませんが、血縁(けつえん)に基づく親戚(しんせき)関係によって左右されます。たとえば、結婚式における三親等(さんしんとう)以内の親族は第一礼装(だいいちれいそう)となり、ミスは振袖、ミセスは(いつ)(もん)の入った黒留袖(くろとめそで)色留袖(いろとめそで)、男性なら黒の(いつ)紋付(もんつき)羽織袴(はおりはかま)と定義されています。従って、(まご)の結婚式では祖母(そぼ)は二親等、(おい)(めい)の結婚式なら伯母(おば)叔母(おば)は三親等となりますから、いずれも黒留袖を着ます。従兄弟姉妹(いとこ)の結婚式においては、新郎新婦(しんろうしんぷ)との血縁関係は四親等(よんしんとう)となりますので、ミスの振袖を除けば、準礼装の訪問着、()()げ、色無地(いろむじ)などを着て出席するのが慣例です。もちろん、知人、友人、上司、同僚(どうりょう)なども、同じく準礼装の格式で参列することになります。(詳細については、きものT.P.Oをご参照ください)

伊藤若冲の訪問着の雛型訪問着の(がら)は、基本的には絵羽模様(えばもよう)です。絵羽模様(えばもよう)は、絵羽柄(えばがら)絵羽付(えばづ)けとも言いますが、生地(きじ)()()わせ部分でもデザインである絵柄(えがら)が連続して(えが)かれています。従って、構図(こうず)が大きく見た目が豪華(ごうか)になります。たとえば、きものの(おくみ)上前(うわまえ)後身頃(うしろみごろ)は、三枚の生地(きじ)からなりますが、その切れ目においても絵の構図が途切(とぎ)れず一枚の絵として(つら)なっています。つまり、振袖(ふりそで)留袖(とめそで)、訪問着は絵羽柄(えばがら)として、下絵(したえ)の段階から一枚の生地幅(きじはば)()えた連続模様(れんぞくもよう)として制作されているのです。(えり)身頃(みごろ)(そで)(つら)なる大きな構図を()くためには、染める前の白生地(しろきじ)仮縫(かりぬ)いし、きもののように()()わせてから下絵(したえ)()かなくてはなりません。きものの前側(上前(うわまえ))に主要な(がら)が有り、左肩の前、左袖(ひだりそで)の前、右袖(みぎそで)の後から右肩の後にかけて図案が描かれています。一説によると着席(ちゃくせき)したときにも訪問着とわかるように、また、(おど)りなどで舞姿(まいすがた)綺麗(きれい)に見えるように、あるいは、三味線(しゃみせん)()くとき観客側から豪華(ごうか)に見えるようにとも言われていますが、その真偽(しんぎ)のほどは(さだ)かではありません。また、作意(さくい)によっては、()()げなどに見られるように()()で連続しない訪問着もありますので、一概(いちがい)には言えません。いずれにしても、絵羽柄(えばがら)のきものは、晴れ着として相応(ふさわ)しい優雅(ゆうが)(はな)やかなきものと言えるでしょう。

塩沢の訪問着訪問着に使用される生地は、おもに、地紋(じもん)がなく平面(へいめん)(なめ)らかな三越縮緬(みこしちりめん)(かわ)わり無地(むじ)縮緬(ちりめん)、そして、地紋(じもん)があり光沢(こうたく)のある緞子縮緬(どんすちりめん)綸子縮緬(りんずちりめん)などが多用されます。また、大島(おおしま)結城(ゆうき)塩沢(しおざわ)十日町紬(とおかまち)などの紬生地(つむぎきじ)も使用されます。紬生地(つむぎきじ)の訪問着は、縮緬生地(ちりめんきじ)の訪問着に比べ、格下(かくした)として(あつか)われてきました。その理由については、正繭(せいまゆ)として出荷できない屑繭(くずまゆ)から生産されたことに起因(きいん)するのではないかと考えます。でも、紬の訪問着が、仮にお洒落用(しゃれよう)の外出着、格式に(こだわ)らない二枚目の訪問着として着ることになったとしても、そこに魅力があると考える人も少なくありません。実際には、現在の大島や塩沢は、(つむぎ)特有の真綿(まわた)からできる紬糸(つむぎいと)から生産されるものは少なく、絹錬撚糸(けんれんねんし)が主力となっています。また、真綿(まわた)から糸を(つむ)ぎ、先染(さきぞ)めされてから織り上げられる結城紬(ゆうきつむぎ)は、高級品として友禅染(ゆうぜんぞめ)の訪問着をはるかに超える価格で販売されています。さらに、訪問着の中には、ポリエステルやレーヨンなどの化学繊維に印刷技術で作られている安価なものもあります。これらの商品の違いを一般消費者が適切に見分けることは難しい時代となりました。もはや生地によって格式(かくしき)の上下をつけることは時代にそぐわないと言えるでしょう。

訪問着は、その多くが友禅染(ゆうぜんぞ)めによって制作されます。京都で行われる京友禅(きょうゆうぜん)は、質・量とも友禅染めを代表しますが、その京都から技術が伝承された新潟県十日町市の十日町友禅(とおかまちゆうぜん)、石川県金沢市近郊で生産される加賀友禅(かがゆうぜん)、東京都の東京友禅(とうきょうゆうぜん)などがあります。

京友禅は、友禅染めの発祥(はっしょう)の地である京都で生産される染色技法。その特徴は、きらびやかで(はな)やか、優雅(ゆうが)で美しいことから「絢爛豪華(けんらんごうか)な京友禅」と言われています。染め上がった訪問着には、金彩(きんさい)刺繍(ししゅう)(ほどこ)すものもあります。型友禅(かたゆうぜん)で制作される紅型(びんがた)や、色の深さが特徴的なローケツ染め、絞りでは鹿()()(しぼ)りから辻ヶ花(つじがばな)まで、各種の技法が合成されながら作られます。それほど京友禅の技術は幅広く高度で(すぐ)れています。そこには、平安時代より現代までの1200年もの間、洗練(せんれん)され、発展してきた日本の美意識(びいしき)源流(げんりゅう)が見られます。

加賀友禅の虫食い文様加賀友禅(かがゆうぜん)の魅力は、貴族(きぞく)的な品格(ひんかく)、そして何と言っても繊細(せんさい)色彩(しきさい)上品(じょうひん)(おもむき)にあります。写実的(しゃじつてき)描写(びょうしゃ)は実は空想の世界のもので、たとえば梅の木に桜の花が咲き、しだれ桜に椿の花が咲く、と言うような抽象(ちゅうしょう)表現によって描かれています。

伝統的な加賀友禅は、臙脂(えんじ)(むらさき)()(みどり)(あい)という加賀五色(かがごしょく)によって(えが)かれ、筆使(ふでづか)いも外側から内側へと筆を運ぶ「内刷毛使(うちはけづか)い」で()かれます。もっとも代表的で不思議な特徴の一つに、「虫食(むしく)い」表現があります。今を(さか)りに咲き(ほこ)絶頂期(ぜっちょうき)の花の描写(びょうしゃ)の中に、なぜか虫に食われた葉っぱがポツリ……人の世のはかなさ、哀調(あいちょう)をおびた風情(ふぜい)には仏教思想(ぶっきょうしそう)と深いかかわりが(うかが)えます。また、図案の作成から(いろ)ざしまで一人で()きあげる加賀友禅には、その独自の伝統によって、作者の意図がより鮮明に表現されているのです。加賀友禅は、きものの中でも特に高級品で、振袖、留袖、訪問着など100万円以上の商品も(めず)しくありません。

訪問着を着るとき

  • 知人、友人、同僚、取引先、お付き合いのある人、ご近所、いとこなどの結婚式
  • 成人式は振袖が主流ですが訪問着でも良い
  • 自分の結納、子供の結納
  • お見合い
  • 子供や孫のお宮参り
  • 自分の卒業式、謝恩会
  • 子供の入園式、入学式、卒園式、卒業式
  • 初詣、記念式典、お年始、挨拶回り
  • 初釜、茶会
  • パーティ、コンサート、観劇、デート、お食事会、園遊会、同窓会、授賞式、親睦会、その他
訪問着の衣更え
訪問着 長襦袢 帯〆帯上
1月~5月 冬物 袋帯 冬物
6月 単衣 絽か紗の長襦袢 紗か絽綴れの袋帯 夏物
7月~8月 絽か紗の訪問着か付け下げ 絽か紗の長襦袢 紗か絽綴れの袋帯 夏物
9月 単衣 絽か紗の長襦袢 綴れなどの単衣帯
(多くは袋帯)
冬物
10月~12月 冬物 袋帯 冬物

訪問着を着るとき準備するもの

  • 訪問着
  • 袋帯
  • 長襦袢
  • 帯〆帯上
  • 羽織は着ません
  • コート
  • 草履バッグセット
  • 伊達衿(必要に応じて)
  • 扇子(必要に応じて)
  • 着付用小物:肌着、裾除、衿芯、伊達締2本、前板、足袋、腰紐(4~5本)、帯枕、タオル(2~3枚)

家紋について

訪問着に紋を入れる必要性は、近年は少なくなりました。というのも、色無地以上の準礼装のきものには、染め抜き一つ紋、もしくは、縫い紋をいれる、と書かれた本もあるかも知れませんが、紋が入っていない訪問着を着たからと言って、せっかく着物を着られた人に対しては、賞賛こそすれ、わざわざ「格が低い」などと非難するひともないからでしょう。ただし、茶道、舞踊、雅楽などの伝統的なお稽古事においては、流派にもよりますが、今でも紋は必須となる場合が多々あります。そのような場合でも、現在では後から紋入れができますので、臨機応変に対応できます。(注意:紋を消すことはできません)

No.1
辻ヶ花訪問着
品番 : 2213200502
品名 : 訪問着
技法 : 辻ヶ花
色彩 : 滅紫
文様 : 辻ヶ花文様
生地 : 銀ラメ緞子
価格 : 98,000円
在庫 : 1
参照 : 
商品 98,000円
仕立
合計 98,000円
 
 
辻ヶ花(つじがはな)は、室町(むろまち)時代から桃山(ももやま)時代にかけて(あらわ)れた(しぼ)()めの一種(いっしゅ)です。辻ヶ花(つじがはな)由来(ゆらい)については定説(ていせつ)がなく、花が躑躅(つつじ)のように見えるところから「つつじが花」の(りゃく)という説、また、たすきがたの斜格子(ななめごうし)に花を配した模様(もよう)が「町の辻」に()ているからという説などがあります。その染色技法は突然(とつぜん)(あらわ)れ、不意に姿を消したことから「(まぼろし)()め」とも呼ばれ、ことさら神秘的(しんぴてき)な美しさを増幅(ぞうふく)します。

多くの絞り染めは、濃い地色と白く染め残されたコントラストによって美しさを表現しますが、辻ヶ花は、その白く染め残された部分にも後から手描(てが)きで彩色(さいしょく)します。絞り染めの強烈(きょうれつ)色彩(しきさい)手描(てが)きの(やわ)らかい色合(いろあ)いの調和(ちょうわ)は、(はな)やかと言うよりひかえめな美しさであり、渋さや格調(かくちょう)さえ感じさせます。(がら)のあちこちに意味(いみ)深長(しんちょう)に描かれた「」マーク、そして()れた花びら。何を(うった)えようとしているのか、まるで(ぜん)問答(もんどう)で出される公案(こうあん)(課題)のようにも思われます。


No.2
辻ヶ花訪問着
品番 : 6858200501
品名 : 訪問着
技法 : 辻ヶ花
色彩 : 漆黒
文様 : 辻ヶ花文様
生地 : 銀ラメ緞子
価格 : 98,000円
在庫 : 1
参照 : 
商品 98,000円
仕立
合計 98,000円
 
 
辻ヶ花(つじがはな)は、室町(むろまち)時代から桃山(ももやま)時代にかけて(あらわ)れた(しぼ)()めの一種(いっしゅ)です。辻ヶ花(つじがはな)由来(ゆらい)については定説(ていせつ)がなく、花が躑躅(つつじ)のように見えるところから「つつじが花」の(りゃく)という説、また、たすきがたの斜格子(ななめごうし)に花を配した模様(もよう)が「町の辻」に()ているからという説などがあります。その染色技法は突然(とつぜん)(あらわ)れ、不意に姿を消したことから「(まぼろし)()め」とも呼ばれ、ことさら神秘的(しんぴてき)な美しさを増幅(ぞうふく)します。

多くの絞り染めは、濃い地色と白く染め残されたコントラストによって美しさを表現しますが、辻ヶ花は、その白く染め残された部分にも後から手描(てが)きで彩色(さいしょく)します。絞り染めの強烈(きょうれつ)色彩(しきさい)手描(てが)きの(やわ)らかい色合(いろあ)いの調和(ちょうわ)は、(はな)やかと言うよりひかえめな美しさであり、渋さや格調(かくちょう)さえ感じさせます。(がら)のあちこちに意味(いみ)深長(しんちょう)に描かれた「」マーク、そして()れた花びら。何を(うった)えようとしているのか、まるで(ぜん)問答(もんどう)で出される公案(こうあん)(課題)のようにも思われます。


No.3
京友禅訪問着
品番 : 6658205001
品名 : 訪問着
技法 : 京友禅
色彩 : 濃藍紫色
文様 : 有職文様
生地 : 三越縮緬
価格 : 99,800円
在庫 : 1
参照 : 
商品 99,800円
仕立
合計 99,800円
 
 
この訪問着は、伊勢型(いせがた)伝統工芸士「加納昭一」氏の作品です。通常は伊勢型(いせがた)小紋(こもん)が多いのですが、この作品は訪問着ですので、中でも最上位の逸品(いっぴん)と言えるでしょう。なぜなら、小紋の場合は40cm程度の型紙を繰り返し染めていきますが、訪問着の場合は、袖、肩、身頃(みごろ)(すそ)など、すべて異なるデザインの型紙を使わなけれなりません。つまり、それだけの型紙が必要で手間と時間がかかるというわけです。

No.4
伊勢型訪問着
品番 : 2149261702
品名 : 訪問着
技法 : 伊勢型
色彩 : 墨黒
文様 : 江戸小紋(Washable対応可)
生地 : 三越縮緬。絹100%。38cm×13m。700g
価格 : 125,000円
在庫 : 1
参照 : 江戸小紋両面染めは、こちら
商品 125,000円
仕立
合計 125,000円
 
 

江戸小紋は、武士の(かみしも)から発展したもので、江戸時代の初期、寛政(かんせい)(1789~1801)年間、徳川家康から3代目の徳川家光の時代に「(かみしも)小紋(こもん)」として急速に普及しました。

江戸に集まる各地の大名(だいみょう)は、家の威信(いしん)をかけて駕籠(かご)(かみしも)などで豪華さを競うようになります。そこで幕府(ばくふ)は、武士の本分「質素倹約(しっそけんやく)質実剛健(しちじつごうけん)」を(むね)に、派手(はで)にならないように奢侈(しゃし)禁止令(きんしれい)を出します。いわゆる贅沢(ぜいたく)禁止令で、豪華で派手なものは着るなという「御触(おふ)れ」です。

そこで、各大名(だいみょう)は派手に見えないように(かみしも)の色数を抑え、まずはグレーや茶色などの地味(じみ)な一色にしました。しかし、色や色数を(おさ)える一方で、柄の細かさを競うようになります。遠目には無地に見えても、実は非常に細かい文様を()()みました。最も緻密(ちみつ)なものでは、わずか3cm四方に800~1200粒もの模様が彫られていたそうですから、周囲を仰天(ぎょうてん)させたと伝えられています。つまり、派手さを抑え、地味で渋さの中にも高度な技術を駆使(くし)し、大名としての威厳(いげん)品格(ひんかく)誇示(こじ)したのです。

この訪問着は、江戸小紋柄の数種を絵羽付(えばづ)け(生地の縫い目で柄が連続していて絵羽模様ともいう)に染め上げた高級品です。なぜなら、訪問着では、上前(うわまえ)後身頃(うしろみごろ)両袖(りょうそで)においても同じ文様はなく、型紙の連続的な繰り返しによる染色方法では染めることはできません。つまり、上前(うわまえ)後身頃(うしろみごろ)両袖(りょうそで)など、すべての部位で異なる型紙を使用しているわけです。その型紙の枚数は、少なくとも50枚~60枚になるのではないでしょうか。このように途方もない時間と労力、緻密(ちみつ)な作業によって染め上げられた江戸小紋柄の訪問着は、高級品というより、もはや芸術品(げいじゅつひん)とも言うべき着物なのかも知れません。いずれにしても、高度な技術と自制された色合いからは、渋いながらも大名としてのプライド、反骨精神、武士の魂を感じさせてくれます。(資料:きものカルチャー研究所「初等科テキスト」)


No.5
京友禅訪問着
品番 : 2514202103
品名 : 訪問着
技法 : 京友禅
色彩 : 漆黒
文様 : 鹿の子に花
生地 : 三越縮緬(正絹)
価格 : 188,000円
在庫 : 1
参照 : 美意識が現れる
商品 188,000円
仕立
合計 188,000円
 
 
年齢を問わず美しく装いのできる訪問着は、格式あるきものの中でも、お洒落感覚を持ち合わせ、その用途も社交着からお洒落用まで幅広く着られます。きもののセンスを楽しみ、また、そのセンスを発揮できるのも訪問着の魅力です。準礼装の位置付けではあるものの現代の着物の主役であり、とりわけなくてはならない晴れ着のひとつです。 可愛らしい鹿の子文様に、また、可愛らしく小花が描かれ、落ち着いた黒地で全体的には上品な雰囲気になりました。お若い方から年配の方まで、幅広くお召しいただけます。

No.6
十日町友禅訪問着
品番 : 2514202102
品名 : 訪問着
技法 : 十日町友禅
色彩 : 漆黒
文様 : 四君子文様
生地 : 三越縮緬(正絹)
価格 : 198,000円
在庫 : 1
参照 : 
商品 198,000円
仕立
合計 198,000円
 
 

漆黒(しっこく)とは、(うるし)のような(つや)のある豪華な黒です。生地にはしっかりした三越縮緬(みこしちりめん)を使い、四季おりおりを代表する日本の花、牡丹、紅葉、桔梗、萩、竹、桐など、伝統的な四君子(しくんし)文様を上品に染め上げました。上半身はすっきりとシンプルに無地感覚ですので、背の高い人でも低い人でも関係なく似合(にあ)います。帯は、金銀の箔錦(はくにしき)、豪華な唐織(からおり)などが良いでしょう。


No.7
京友禅訪問着
品番 : 7120206501
品名 : 訪問着
技法 : 京友禅
色彩 : 淡紅藤
文様 : 扇面御所解文様
生地 : 三越縮緬
価格 : 198,000円
在庫 : 1
参照 : 
商品 198,000円
仕立
合計 198,000円
 
 
四季(しき)折々(おりおり)の草花を描写する伝統的な御所解(ごしょどき)文様(もんよう)枯山水(かれさんすい)のタッチで()き上げました。優しく落ち着いた色調からは品位と格調が(ただよ)います。40代から70代まで着られますが、帯次第(しだい)ではお若い方でも十分着こなせます。金銀の帯なら無難に合いますが、濃い地色の帯なら(いき)にもなるでしょう。

No.8
京友禅訪問着
品番 : 7120206503
品名 : 訪問着
技法 : 京友禅
色彩 : 白花色
文様 : 絵草子文
生地 : 変わり無地縮緬
価格 : 198,000円
在庫 : 1
参照 : 
商品 198,000円
仕立
合計 198,000円
 
 
重厚(じゅうこう)()わり無地(むじ)縮緬(ちりめん)白花色(しろはないろ)(すそ)(ぼか)しで「はんなり」と染め上げ、御伽草子(おとぎぞうし)のような文様が描かれています。上品さと愛らしさと奥ゆかしさのある訪問着です。帯は、その雰囲気(ふんいき)(こわ)さないような白地で優しいトーンの袋帯がお勧めです。

No.9
西陣御召(皇室献上寿光織)訪問着(単衣/袷)
品番 : 8708261101
品名 : 訪問着(単衣/袷)
技法 : 西陣御召(皇室献上寿光織)
色彩 : 蕎麦切色
文様 : 市松有職文
生地 : 御召縮緬(正絹Washable)
価格 : 198,000円
在庫 : 売約済み
参照 : 無地お召しは、こちら
商品 198,000円
仕立
合計 198,000円
 
 

この訪問着(ほうもんぎ)は、特殊な二重組織で織られた風通御召(ふうつうおめし)という紋御召(もんおめし)のひとつです。風通御召の特徴は、二重の経糸(たていと)緯糸(よこいと)を用いて織られ文様の部分で表裏の糸が入れ替わり、表と裏の文様が反対の配色になります。

御召は、その名が示すとおり、もともと天皇や将軍の「お召し物」という意味ですが、先染(さきぞ)めの織物でありながらも礼装のきものとしても着られることから、きものTPOでも別格の扱いをされ、「上級者のきもの」、「最高級品のきもの」として知られています。お茶席などで家紋が必要な場合には、染め抜き紋は入りませんので縫い紋にします。

地色は、江戸好みの蕎麦切(そばきり)色です。蕎麦切色は、蕎麦(そば)を切ったときの色で、ごく(わず)かに黄味(きみ)の明るい灰色ですが、派手さを抑えた日本女性には(うつ)りの良いシックな色です。


No.10
京友禅訪問着
品番 : 8623206001
品名 : 訪問着
技法 : 京友禅
色彩 : 霞色
文様 : 色紙文
生地 : 正絹変り三越縮緬
価格 : 250,000円
在庫 : 1
参照 : 
商品 250,000円
仕立
合計 250,000円
 
 
(かすみ)色とは、霞のような色で、わずかに紫味(むらさきあじ)の灰色のこと。色紙(しきし)文とは、和歌や俳句、草花や風景などが描かれた色紙を配した文様です。おとなしく上品な地色に四季折々の草花ですので季節を気にせず、末永く着られます。

No.11
十日町友禅訪問着
品番 : 2514204102
品名 : 訪問着
技法 : 十日町友禅
色彩 : 暗藍紺
文様 : 抽象柄
生地 : 三越縮緬(正絹)
価格 : 350,000円
在庫 : 1
参照 : 
商品 350,000円
仕立
合計 350,000円
 
 
この訪問着は十日町友禅ですが、伝統的な染色技術にこだわらない斬新で抽象的なデザインで染め上げています。すっきりとした色彩で、渋くて小粋な雰囲気が魅力です。お若い方から年配の方まで帯次第で着られます。

No.12
総絞り訪問着
品番 : 7577207002
品名 : 訪問着
技法 : 総絞り
色彩 : 黒白
文様 : 総鹿の子絞り流水桜菊文
生地 : 緞子縮緬
価格 : 380,000円
在庫 : 1
参照 : 
商品 380,000円
仕立
合計 380,000円
 
 
鹿()()とは、小鹿(こじか)に見られる白い斑点(はんてん)()ているところから言われた文様(もんよう)です。鹿()()(しぼ)りは、まず白生地の5mm(はば)程度をつまみ、糸でぐるぐると5~6回()き、(しば)ります。それを染料(せんりょう)につけて、全体を染めます。 染め上がった後で、糸を()くとその部分は染料がしみ込まずに白く残り、(がら)となります。このような単純(たんじゅん)な染め方から、(つじ)(はな)のような複雑なものまで、豪華(ごうか)さと高級品の代表格として根強(ねづよ)い人気があります。この訪問着は、総絞(そうしぼ)りですので、高級品の中でも最高級品と言えるでしょう。

No.13
京友禅訪問着
品番 : 5514208102
品名 : 訪問着
技法 : 京友禅
色彩 : 濃藍紺
文様 : 桜、松、藤
生地 : 三越縮緬(正絹)
価格 : 398,000円
在庫 : 1
参照 : 美意識が現れる
商品 398,000円
仕立
合計 398,000円
 
 
この訪問着は、加賀友禅(かがゆうぜん)の技法を元に金沢以外の地で制作されています。従って、加賀友禅の特徴である「虫食(むしく)」文様が見られませんが、金彩(きんさい)刺繍(ししゅう)などは使わず、(やさ)しく落ち着いた色調を基本に筆の運びは加賀特有の「内刷毛使(うちはけづか)い」によって(えが)かれています。「内刷毛使い」とは、花や葉を良く見ればわかるように図案の輪郭(りんかく)、すなわち外側から内側へと筆を運ぶ()き方です。実は、この作家は加賀友禅の下請(したう)け職人として活躍されていた時期もあります。今では、産地偽装(さんちぎそう)との批判を受けますので、加賀友禅として出品することはできませんが、本場の加賀にも(まさ)るとも(おと)らぬセンスと技術の持ち主であることは明白です。本場の加賀で制作されれば、そのブランド力で80万円はくだりません。そんな理由から、30年前、この作家を求めて全国を(さが)し回りました。それが(えん)で、今でも加賀友禅調(かがゆうぜんちょう)上品(じょうひん)優雅(ゆうが)な訪問着や色留袖(いろとめそで)を安価で提供し続けてもらっています。

No.14
加賀友禅訪問着
品番 : 6958263102
品名 : 訪問着
技法 : 加賀友禅
色彩 : 淡桜色
文様 : 南風に乗って
生地 : 三越縮緬
価格 : 398,000円
在庫 : 1
参照 : 美意識が現れる
商品 398,000円
仕立
合計 398,000円
 
 
加賀友禅の魅力は、貴族趣味的な品格、そして何と言っても繊細な色彩と上品な趣にあります。写実的な描写は実は空想の世界のもので、たとえば梅の木に桜の花が咲き、しだれ桜に椿の花が咲く、と言うような抽象表現によって描かれています。 もっとも代表的で不思議な特徴の一つに、「虫食い」表現があります。今を盛りに咲き誇る絶頂期の花の描写の中に、なぜか虫に食われた葉っぱがポツリ……人の世のはかなさ、哀調をおびた風情には仏教思想と深いかかわりが伺えます。 図案の作成から色ざしまで一人で描きあげる加賀友禅には、その独自の伝統によって、作者の意図がより鮮明に表現されているのです。加賀友禅は、きものの中でも特に高級品で、振袖、留袖、訪問着など100万円以上の商品も珍しくありません。また、加賀友禅は、その名の通り、九谷焼、輪島塗などとともに石川県(金沢市近郊)で生産されています。 (資料:きものカルチャー研究所初等科テキスト)

No.15
加賀友禅訪問着
品番 : 6958263103
品名 : 訪問着
技法 : 加賀友禅
色彩 : クリーム
文様 : 石南花
生地 : 三越縮緬
価格 : 398,000円
在庫 : 1
参照 : 美意識が現れる
商品 398,000円
仕立
合計 398,000円
 
 
加賀友禅の魅力は、貴族趣味的な品格、そして何と言っても繊細な色彩と上品な趣にあります。写実的な描写は実は空想の世界のもので、たとえば梅の木に桜の花が咲き、しだれ桜に椿の花が咲く、と言うような抽象表現によって描かれています。 もっとも代表的で不思議な特徴の一つに、「虫食い」表現があります。今を盛りに咲き誇る絶頂期の花の描写の中に、なぜか虫に食われた葉っぱがポツリ……人の世のはかなさ、哀調をおびた風情には仏教思想と深いかかわりが伺えます。 図案の作成から色ざしまで一人で描きあげる加賀友禅には、その独自の伝統によって、作者の意図がより鮮明に表現されているのです。加賀友禅は、きものの中でも特に高級品で、振袖、留袖、訪問着など100万円以上の商品も珍しくありません。また、加賀友禅は、その名の通り、九谷焼、輪島塗などとともに石川県(金沢市近郊)で生産されています。 (資料:きものカルチャー研究所初等科テキスト)

No.16
加賀友禅訪問着
品番 : 8623208001
品名 : 訪問着
技法 : 加賀友禅
色彩 : 退紅
文様 : 四君子文
生地 : 正絹三越縮緬
価格 : 800,000円
在庫 : 1
参照 : 
商品 800,000円
仕立
合計 800,000円
 
 
加賀友禅の魅力は、貴族趣味的な品格、そして何と言っても繊細な色彩と上品な趣にあります。写実的な描写は実は空想の世界のもので、たとえば梅の木に桜の花が咲き、しだれ桜に椿の花が咲く、と言うような抽象表現によって描かれています。 もっとも代表的で不思議な特徴の一つに、「虫食い」表現があります。今を盛りに咲き誇る絶頂期の花の描写の中に、なぜか虫に食われた葉っぱがポツリ……人の世のはかなさ、哀調をおびた風情には仏教思想と深いかかわりが伺えます。 図案の作成から色ざしまで一人で描きあげる加賀友禅には、その独自の伝統によって、作者の意図がより鮮明に表現されているのです。加賀友禅は、きものの中でも特に高級品で、振袖、留袖、訪問着など100万円以上の商品も珍しくありません。また、加賀友禅は、その名の通り、九谷焼、輪島塗などとともに石川県(金沢市近郊)で生産されています。 (資料:きものカルチャー研究所初等科テキスト)

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