正絹(しょうけん)washable・(あわせ)の着物



  • 創業92年の老舗・染匠がお届けする本格派の次世代着物

    2002年「washable長襦袢」の実用化に続き、2015年には自宅で洗える「大島・結城・紬・小紋・色無・絽・紗」などの開発に成功しました。すでに、各地域にある弊社の着付教室などにおいても、講師や生徒が着用し、実用的にも問題なく高い評価を得ています。自宅で簡単に洗えることから、今では「washable以外の着物や長襦袢は着ない」という講師もたくさんいます。

  • 自宅で洗える「大島紬」

    この大島紬は、本場大島で織られた先染めの生地に、京友禅で江戸小紋調に加工したものです。本来、大島生地は後染めには不向きですが、大島の軽くて丈夫な着心地、さばきの良さを維持しながら江戸小紋調の柄に染め上げ、洒落感と格式とをあわせ持つ「きもの」になりました。

    その染め大島に先端技術のwashable加工を施し、自宅の洗濯機でも洗えるように仕上げました。裏生地には、高密度の八掛と胴裏を使い、収縮率がほぼ同じになるように仕立ててあります。

  • 免責事項

    washable加工料は、現在無料で提供していますが、もし、ご家庭での洗濯が不可能な場合は、従来の「お手入れ方法」を行ってください。washable加工は、真空状態の密室で、加圧された純水から噴霧状になったマイクロミストと呼ばれる分子(H2O)を生糸のタンパク質と結合させる技術です。つまり、いったん水と反応した絹糸は、水洗いしても縮まないと言う訳です。同業他社で行われている繊維へのコーティング技術とは違い、フッ素や樹脂などは使用していませんので、washable加工による弊害・副作用はありません。



自宅の洗濯機で洗って乾いた状態です。
洗い上がりの全体画像 洗い上がりの八掛部分 洗い上がりの八掛部分 洗い上がりの袖部分 洗い上がりの衿部分
全体 八掛 八掛
  • 洗濯機で中性洗剤を使い、弱流水で洗いました。
  • アイロンを当てる前の乾いた状態ですが、シワもほとんどありません。
  • 収縮率は、洗濯前と洗濯後で採寸しましたが99.5%を保持していました。
  • ファンデーションの衿汚れも、きれいに落ちています。
  • 軽くアイロンを当てれば綺麗になります。
  • 大島のwashableは、2015年10月現在4~5人が洗濯を繰り返しながら着られていますが、絶賛大好評です。
  • washable加工は、熱処理(蒸し加工)を行いますが、その特性上、大島は、ややしなやかな風合いになります。
  • washable加工は、すべての絹織物で効果があるわけではありません。生地、染料、裏生地、仕立て方など、相性を見極めなければなりません。
  • お仕立て上がりの着物、新品でない不純物を含む着物などは、加工できません。

  • 紬、江戸小紋、色無地でもwashable

    長襦袢、単衣の長着や羽織では、ほぼ完成したwashable技術でしたが、袷の着物のwashable化に取り組んで参りました。袷のwashableが難しい点は、表生地と裏生地との収縮率の差異にありました。しかしながら、2~3年の試行錯誤を経て相性の良い胴裏・八掛生地を厳選しました。

    2015年以前、すでに大島紬、結城紬、紅花紬では、当社の着付講師の間で日常的に洗濯を繰り返しても問題のないことが判明していました。その後、八掛付きの江戸小紋や色無地で検証しましたが、同じく問題もなく好評です。

    2019年時点、まだ、washable加工に適さない生地・染色技法が散見され、100%完成とは言えない状況です。でも、多くの紬、小紋、色無地、御召などが自宅で手軽に洗濯できることは、まさに「きものwashable革命」ともいえる劇的な変革期を迎えています。多くのシミや汚れは、中性洗剤できれいになりますが、それでも落ちにくいシミは、「着こなし入門講座」で習える「しみ抜き」技術を習得されることを推奨しています。