金銀糸の煌めきを抑えて織り上げた江戸好みの礼装用袋帯です。地味で渋めの留袖、訪問着、色無地、江戸小紋などに締めますが、特に紬地の訪問着や色無地には威力を発揮します。
袋帯の経糸は通常1,800本ですが、この帯の経糸は3,600本で織られています。極細精緻な文様表現は最高水準と言えますが、帯地の重さが500g以下という優れモノです。つまり、文様のカーブにはギザギザ感がなくとても滑らかに表現されています。しかも、一般的に金銀の袋帯は重いものですが、軽さの秘密は裏地の不要な金銀糸や色糸が綺麗に始末されているからです。染匠が推奨する「着こなし」と「着心地」の両方を追究した逸品です。