お洒落用右近下駄
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お洒落用きもの下駄「右近」
- 上図は、「着こなし入門講座」の中で学べる「鼻緒のたて方」を受講し、右近の下駄が完成したところです。それぞれお好みの下駄台と鼻緒を選び、着物に合わせて作成しました。左から大島、牛首紬、色無地、絞りの小紋に合わせています。
- 右近の下駄は、裏面が滑らかな舟底で下駄台が小判型の普段履き用です。材質は、桐、焼き桐、ねずこなどがあります。近年では、歯の付いた雨下駄タイプはホテルなどの絨毯を傷めるため入館を断られることもあるようです。その点右近下駄は、靴のような滑らかな接地面になっていますので安心です。
- 振袖、留袖、訪問着などの礼装着には草履が定番ですが、普段、ちょっとしたお出かけに重宝されるのが右近の下駄です。夏の浴衣はもちろんのこと、麻や綿のきもの、小紋や紬など、格式にこだわらない場所なら色無地、江戸小紋などにも履いて行けます。
- 大切なのは色柄よりも履き心地。軽くて細い下駄幅、木材ならではの堅くて安定した舟底のカーブ。これが歩きやすさの秘密です。
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きものと下駄の合わせ方
- 着こなしの生命線は鼻緒の色柄です。派手からず地味からず、また、豪華すぎても粋すぎても興ざめします。草履・下駄は脇役ですので、せっかくの着物の雰囲気を壊さないような配慮が必要です。カジュアル派ならおとなしい京小紋、あるいは、小粋な縞や印伝風の鼻緒が良いでしょう。
※印伝:鹿皮をなめし、漆で図案をあしらった高級な小間物。
- お洒落は足元からとも言われますが、「京の着倒れ」に対して、「江戸の履き倒れ」という諺もあります。東京では、それほど履物にこだわるということなのかも知れません。
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禰豆子
- ねずことは、学名「黒檜」日本特産のヒノキ科常緑高木。木曽五木のひとつ。木曽五木は建築資材として貴重なため、江戸時代には尾張藩より伐採が禁止されていました。
- 寒冷地で生育するねずこは、年輪が詰まり丈夫な上、軽いので下駄に適しています。色艶が渋く、白足袋や和服の足元を引き立ててくれます。
- 昨今、海外から輸入される桐下駄などは、暖かい東南アジア産が多いせいか、年輪が広く、けつまづいたときなど割れやすく感じます。その点では、会津桐やねずこが丈夫で割れにくいのもうなずけます。
- きものだけではなく、ジーンズなどにも、ねずこの右近下駄は良く似合います。又の付いたソックス(軍足)を履けば、サンダルより歩きやすく、とてもお洒落です。(外反母趾の予防にも効果的)
- アニメ「鬼滅の刃」に登場する「竈門炭治郎」と妹の「竈門禰豆子」と同じ名前が、長野県内の神社「竈神社」にあります。漢字は一文字違いますが、読み方は同じ「かまど」。神社は元々、鬼門除けとして鎌倉時代に建てられましたが、明治時代に、火の災いから住民を守る意味合いで「竈」という文字を名に付けたとされています。また、地区にある加茂神社の境内にそびえたつ大木。その名は「禰豆子」。樹齢400年以上、ヒノキ科のネズコ。「加茂神社のねずこ」として、市の天然記念物にも指定されています。
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靴のサイズと下駄のサイズとの目安
- 22cm~22.5cm:Sサイズ
- 23cm~24.5cm:Mサイズ
- 24.5cm~26.0cm:Lサイズ
- 26.5cm~ :LLサイズ