文化11年(1814年)7月、商人「清兵衛」は28歳の時、博多織をたずさえ江戸に上った。
江戸の町で博多織の商いをして廻ったが、なかなか売れない。途方に暮れていたとき、黒田藩出入りの呉服商が、今流行の歌舞伎役者に締めてもらって口上してもらったらと教えてくれた。清兵衛は喜んで当時の七代目「市川団十郎」に博多織の宣伝をお願いした。七代目は助六で「この博多織は唐織だから誠に強くて、いつまでしても切るることがねぇ。」とやった。
またたく間に博多織は江戸中の評判となる。今から200年前の「花のお江戸の博多織進出逸話」である。
(資料:博多織工業組合)